株式投資

優待廃止ラッシュについて思うこと

ここ最近,JTやオリックスなど有名な人気優待銘柄の株主優待廃止が続いています。ニュースやコラムなどを総合すると,以下のような背景があるようです。

  • 東証再編により,東証1部に代わるプライム市場維持に必要な株主数が2000人以上→800人以上に減った(個人株主を大切にする理由が減った)
  • 株主公平性,株主還元効率性の観点から,1株あたりの株主利益(配当+株主優待)を平坦化したい(優待は最低単元株を保有する個人株主に有利な制度であり,優待廃止は機関投資家,株主優待を受け取れない海外投資家へアピールできる)
  • 上述の基準変更に乗じて、株主優待のコストを削減したい。

個人的には株主優待は大好きなのですが,廃止のリスク(廃止発表後には,それ相応の増配がない限り,高確率で暴落が予測されます)も踏まえたうえで,投資をする必要があるなと痛感しました。

ここ最近で一番ショックだったのは,JTよりもオリックスよりも,サニーサイドアップの株主優待(billsの食事券)廃止のニュースです。

JTやオリックスは,高配当かつ時価総額も大きく,優待廃止までの猶予期間も設けたうえで,優待廃止の代わりに増配を発表しており,機関投資家へのアピール度は高く,株価は維持されました。

一方,サニーサイドアップは,時価総額が小さく,billsの食事券目的の個人株主の占める割合が高いにもかかわらず,配当還元は微増,優待権利付き直前に猶予期間なしの完全廃止の発表というタイミングの悪さでした。
これには個人株主は落胆し,本日は値が付かずにストップ安となりました。優待廃止において,JTやオリックスと明暗が分かれた形でした。

幸いサニーサイドアップは急落後も含み益があったので、+3万くらいで売却できました。優待で数年楽しませてもらったので、後悔はありせん。

最後の優待は、七里ヶ浜のbillsで使わせていただきました。海外のような素晴らしい景色と美味しい朝食に、優待なしでもまた行きたいなと思いました。

飲食店の場合,コロナの影響に加えて,急激な物価の上昇や人件費の高騰が経営を圧迫していると考えられるので,東証再編による市場の基準変更に乗っかる形で猶予期間を設けることなく廃止という判断に至ったのだと思います。自社サービスの優待の場合,カタログギフトやQUOカード優待に比べて廃止リスクは低いと言われていましたが,そうも言っていられないということを今回の一件で思い知らされた形です。

東証再編により,今後株主優待廃止ラッシュは続くと予想されますが,他の優待目的の株を保有し続けるか,どのタイミングで売り抜けるか,悩みどころです。