読書・ドラマ感想

ドラマ感想: チェリまほ最終回(12話)

2020年、色々あったけれど終わりよければ全てよし、ハピネス全開にさせてくれた、「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(通称チェリまほ)」。

最終回直前の長々とした感想に引き続き、最終回12話のまとまりのない感想です。なお、この感想はチェリまほドラマ最終回観ている前提とし、原作6巻までのネタバレを含み、一部の方に不快な表現もあるかも知れません。一意見としてご容赦ください。更に、長いです。最終的な感想は、ドラマの展開に好意的になっています。

感想

全体的な感想

最終回放送翌日クリスマスは早朝3:00にタブレットで若干寝不足状態で見たのですが、アレ、今回も体感5分?置いてけぼり感が否めませんでした。

その後、原作6巻を後書きも含めて読み、そのあと、60インチのテレビ大画面でゆっくり観たら、ドラマも中々良かったと思えました。

ドラマで物足りないと思った部分は、原作の5巻と6巻で脳内補完できましたし、制作陣がこだわりたかった部分を考えると(1話と最終回で映像がザッピングしてるところ、1話で黒沢の心の声を聞いて3話で安達が黒沢を食事に誘ったエレベーターでキスさせて締めたいとか、オープニングとエンディングが最終回だけマイナーチェンジしているとか)、ドラマはこれが一つの完成形なのかなと思えました

脱魔法使いシーンとか生々しく無いのも(9話のバスローブ妄想からの期待はありましたけれども)、俳優側の意向など大人の事情等ありますし、地上波媒体の適切性として白Tシャツに落ち着いたというのも頷けます。

写真集を拝見したのですが、赤楚さんは中々に鍛えていらっしゃるので(さすが元仮面ライダー)、町田さんとの体格差を魅せるために拘った結果なのかも知れません。アリ寄りのアリの方向性です。

残念な点

ただ、ファーストキスまでの流れを丁寧に描いて見せて欲しかった、その文脈が省略されていた(ように見えてしまった)、これだけは残念です。

せっかく11話中盤まで、安達くんの成長と、安達くんと黒沢さんの焦ったいほどの恋愛を丁寧に描いてきたのに、急に最終回に向かって、大団円に向かわせてるな、と感じました。

製作者が見せたかったものか、もしくは、この様なテンプレートに乗らないと企画通せなかったとかあるのかもしれません(テレ東だからその辺は自由そうなのですが)。

黒沢さんの行動原理から考えると、自ら安達くんとの別れを切り出すはずがない(そのため原作者は5巻でその展開はどうしても描けなかったとインタビューで仰っていました)
ドラマの黒沢さんは原作よりも更に安達ファーストで優しいのは分かりますか、ドラマは最後の最後でご都合主義っぽくなってしまった気がします。

親友で魔法使い仲間の柘植さんならまだしも、藤崎さんと六角のアシストとか、尺がないならバッサリカットして、原作の5巻と6巻みたいに 2人が言葉を尽くして、安達くんと黒沢さんが心の距離を縮めるシーンは欲しかったですね。

もちろん、1時間くらい尺があれば藤崎さんや六角のアシストがエッセンスとなりより素晴らしい展開になったと思います。11話まではドラマは原作越えかな、と思っていましたし、演者が最高なだけに本当にもったいないと思いました。

俳優側は男性同士のラブシーンにNGはなかった気がします。他のLDH(劇団EXILE)俳優の男性同士の激しめのシーンありますし、今際の国のアリスのエグい演出など町田啓太さんの演技の幅は広いですし、赤楚さん所属の事務所は、綾野剛さんと同じ事務所らしいので、こちらも大丈夫。

そもそも、昨今においては、LGBTを企業として受け入れないのはダイバーシティに反していると受け取られるリスクがあります。ですが、赤楚さんは売出し中でBL色を濃くしたくないなど、大人の事情もあったと推察します。

それにしても、濃厚なシーンは画面を切り替え匂わせだけにして、チェリまほでじっくり描いてきた、大切な人に言葉を尽くして伝える表現は出来たと思います。

ファーストキスは大切

安達くんの成長や黒沢さんとの恋愛を丁寧に描くなら、やはりファーストキスは手を抜かないで欲しかったなぁ、と思います。実際に触れている映像を出すかどうかは別として。

チェリまほドラマにおけるファーストキスって意味があると思います。あれだけ、黒沢さんは安達くんの初めて、を強調してましたから。デートの練習、3回してるのに、脱魔法使いシーンまでの流れ、雑な感は否めません。

それまでのドラマオリジナルのアレンジは最高でした。けれども、あんなに素晴らしい原作があるのに、地上波としての表現変更はあるにしても、流れを変える必要はあったのかなぁ、と、堂々巡りしてしまいます。

漫画媒体としてみれば、6巻の脱魔法使いシーンは健全で美しいシーンでした。ドラマ11話まで本当に良かっただけに、惜しいところ、際立っちゃった気がします。スピンオフでも焼き直し映画でも良いから、欲を言えば挑戦して欲しいです。

ただ、ファーストキスをすっ飛ばしてでも、エレベーターキスシーン(寸止め)も、映像としてこだわり抜かれたシーンでした。黒沢の小悪魔顔と安達くんの小慣れた顔が何とも言えなかったです。色んなパターンがあった中で、制作陣が考え尽くして作ってくれたことには変わりありません。

脱魔法使いについて

6巻の脱魔法使いシーンについては、文脈含めて美しく理想的で最高でした。原作者の後書きによると、元々お互いノンケだったのに、求め合うまでの過程をどう描くかが命題だったと言っていたのですが、見事それを表現されていました。

LGBTの方にはまだまだファンタジーかもしれませんが、しっかりした説得力を持って魅せてくれました。原作の表現も、地上波に耐えられる表現だと思いましたし、何度でも言いますが、欲を言えばドラマでも見たかったです。

この6巻が最高だったおかげで、ドラマの不足感とか、チェリまほロスを、何とか凌げてます。逆に、ドラマでファーストキスや脱魔法使いシーンがファンが大満足する様に描かれていたら、妄想の余地なし、より深いチェリまほロスに陥っていたかもしれません。

スピンオフ

スピンオフ、副音声も含めて、めっちゃくちゃ面白かったです。これだけのためにTSUTAYAプレミアムに入る価値ありです。

脱魔法使い後もこんなに小ネタで楽しめるなんて、スペシャルくらいは期待しても良いのではと思ってしまいました。

今後の展望

今後、ファンが円盤買ったり、テレ東に感想とか送れば、2期とか映画で我々の観たいもの期待できるかもしれないと思っています。

原作者へのチェリまほドラマ化の打診は、2019年11月にあったらしいですが、思えばおっさんずラブin the skyが大コケした直後のタイミングです。

企画そのものの方向性がファンの意向と真逆を行っていたin the skyに比べたら、チェリまほドラマの方が圧倒的な良作で洗練されていたのは間違いないです。

原作者様、テレ東、制作陣、俳優陣、全てがファンのニーズも汲んだ上で、ちゃんとやってくれると信頼できます。途中までの流れは神回更新ばかりで、我々の期待値が上がってたのもあると思います。

だいぶ早くに撮了してたらしいですから、ファンの声との時間差もありました。普通なら放送と並行してまだ撮影やってますし、様子を見て最終回時間延長も打診できた可能性もあります。

更に神回7話がクランクアップであるとの事で、その様な撮影順なども影響してるのかもしれません。本当に良かったですから7話。

まとめ

チェリまほドラマに出会えた3ヶ月間、本当に楽しかったです。円盤と公式への前向きなフィードバックは、重要だと思います。自分にできることは、原作を購入したり、円盤を買ったりすることです。第二期、スペシャル、映画などで、誰1人欠けることなく戻ってきてくれることを願っています!

Blu-ray、もちろん予約しました。