読書・ドラマ感想

感想: 傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン

コロナ禍で気軽に遠出できなくなったことで、家の中で断捨離したり本を読んで過ごすことが多くなりました。旅行も大好きですが、オタク気質なので引きこもり生活は意外と苦になりません。

有休を取っては丸善総本山に行って本を眺めるのが癒しなこの頃、「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」という素晴らしい漫画に出会いました。


人気の本・漫画はメルカリで売れるので、躊躇せずに本屋で買うことが多くなりました。

しかしながら、こちらの漫画は面白すぎて、メルカリで売らずに2回も読み返して、連休中も読みそうな勢いです。

傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン

「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」は真の歴史オタクにして画力とストーリー編纂力全てを兼ね備えた作者による、マリー・アントワネットの専属ファッションデザイナーのローズ・ベルタンの一代記です。

重厚な内容と美麗な絵

しっかりとした取材と文献に基づきながら、可愛い絵と、漫画にふさわしい解釈とアレンジ、近世パリの庶民の生活様式や文化が伝わる緻密な背景、ドレスの美しさ、作者のコラム、とにかく全てが素晴らしいです。

新品で買って作者の印税に少しでも貢献したい、そう思える作品です。メディアミックスか派生品があれば喜んで散財します。

フランス革命にまつわる漫画

第三のギデオン

乃木坂太郎の「第三のギデオン」も面白かったですが、第三身分の主人公やロベスピエールのダークサイドが病的で生々しく読み返すに至りませんでした(でも、絵は美麗でストーリーも大変面白かったです)。

マリー・アントワネット

2016年に六本木でマリー・アントワネット展が開催されたのと同時に、ヴェルサイユ宮殿が完全監修した惣領冬実先生の「マリー・アントワネット」は絵も緻密で美しく、ゴシップに基づくイメージなどを排除した、史実に近い内容となっています。コミックと合わせて、作成裏話などをまとめた「マリー・アントワネットの嘘」も面白かったです。

ルイ16世とマリー・アントワネット

昔はベルばらのイメージが強かったですが、最新研究による時代考証の入った「第三のギデオン」、惣領冬実先生の「マリー・アントワネット」や本作「ローズ・ベルタン」などによって、ルイ16世やマリー・アントワネットのイメージが変わりました(何が正義か分からないので、どこに視点を置くかで変わりますが)。知性や優しさに溢れ、愛し合っていたことが伺えます。今はフェルセンより圧倒的にルイ16世派になりました。

胸キュン要素

レオナール(マリー・アントワネットの専属ヘアスタイリストでベルタンの理解者)とルイ16世が違ったタイプのイケメンで、胸キュン要素もありです。

まとめ

世界史における有名人として最も有名と言っても過言ではないマリー・アントワネット。フランス革命という大きなうねりに翻弄される登場人物達の運命は、ドラマチックであること間違いありません。

フランスやオーストラリアを旅行する際にもこういったディープな世界史を知ると、楽しみ方も倍増すると思います。

まだまだ連載序盤なので、一気読みできないのが歯痒いですが、ローズ・ベルタンから見たフランス革命がどう描かれるのか、今後も楽しみです。