読書・ドラマ感想

映画「バクテン!!」感想

会社指定休日に映画バクテン!!を観に行って来ました。男子新体操部を設立して初めてのインターハイ出場に向けて頑張るぞってところでアニメが終わっていたので、ちょうど暇だし行ってみるかという気軽な感じでしたが、いい意味で期待を遥かに上回っていてちょっと涙が出ました。

以下ネタバレです。

新体操の場面はモーションキャプチャによるCG感をあまり感じさせない、セル画っぽい動きに磨きがかかっていました。ストーリーもそれぞれのドラマがあり、成長も感じましたね。

スポーツ物だとインターハイでの勝敗がドラマの核になる部分ですが、結構あっさり負けて受験シーズンに突入してしまいます。そして顧問兼監督の先生も将来に向けて学校を去る事になる。2年生と1年生がどうその喪失感と戦っていくのか、先生と3年生との不完全燃焼感をどう解消していくのか、と言う部分がメインストーリーになってます。

みんな、色々抱えながらも基本いい子なので、あんまり衝突とかないんですよね。先生も基本「楽しんで!」と基本励ます姿勢で生徒を追い詰めたりしない。現実との折り合いを現実的に模索していく、だって人生は高校生で終わりじゃないし、なんなら先生もまだアラサーなので夢を追いかけたい。そしてそれは、オリンピックやプロの道がない男子新体操をメジャーにするため、生徒達には間に合わなかったとしても次世代に繋ぎたい、という長期目線で考えている。自分が大人になったからこそ感じられる納得感と落とし所だな、と思いました。

先生を送り出す為に地元のスポーツイベントで3年生も一緒に演技のリベンジをするとか、練習の合間も受験勉強は欠かさないとか、恥を捨ててライバル校のメンバーに教えを請うとか、フレキシブルな感じもなんか今っぽくて地に足がついていていいな、と思いました。
スポーツイベントで一般の人からYouTube発信されて、世界中でバズるとか、今ならそっちの方がインターハイよりもインパクトある可能性もありますしね。

自分はスポーツのような厳しい世界でトップを取る取らないとかそういう燃え尽きるような青春を経験していないので、そういうのにも憧れますし、人生濃いだろうなと思うのですが、多くの人は(そしてトップを取り続ける人であっても)その後の人生は続いていくし、いち通過点でしかない、そんな生々しい感じがありました。画はかわいいし、ちゃんとアニメなんですけど、やっぱり東日本大震災の復興支援の一環の企画でもあるので、淡々と続いていく現実も感じるような作りになってるのかなと。

先週末公開されたばかりなのに、今週すでにスクリーン小さくなって、上映数も減っているの、勿体無いなと思ってしまう。アマプラでもう一度アニメ版見直したくなりました。