読書・ドラマ感想

読書感想:応天の門

灰原薬原作の「応天の門」は、学問の神様と称される菅原道真と、平安の色男・在原業平が手を携え、都で起こる怪事件を次々と解決していく歴史サスペンス。月刊コミックバンチで連載中で、単行本は15巻まで刊行されています。2017年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞を受賞し、NHKの歴史番組「ヒストリア」でも紹介されました。

大体3〜5話で1つのエピソードとなっており、当時なら物の怪の仕業とかで加持祈祷や物忌(悪いことが起きた時に自主的に謹慎すること)で済ませてしまいそうな事件を、ロジカルかつ科学的に解決していくというお話です。

在原業平と菅原道真の交流は実際には不明なものの同時代に生きていました。検非違使(当時の警察みたいな役職)である在原業平が、優秀な学者の卵である菅原道真に難事件解決のための知恵を拝借しにやってくる、という平安版ガリレオといえばわかりやすいでしょうか。事件は架空のものが多いですが、登場人物や大きな事件は史実に基づいており、東京大学史料編纂所の本郷和人さんが監修されているので、彼のコラムも含めて非常に骨太で読み応えのあるストーリーです。

ところで、「応天の門」が、宝塚歌劇団月組により舞台化されるそうです。2023年2月から3月にかけて兵庫・宝塚大劇場、3月から4月にかけて東京・東京宝塚劇場で上演されるそうで、宝塚ファンの友人に誘われて知りました。舞台は「平安朝クライム『応天の門』―若き日の菅原道真の事―」のタイトルで、主演を月城かなとさんと海乃美月さんがつとめるそうです。月組の方の芸名には「月」が付くのですね、カッコイイ。