保険・健康

持続可能な分散投資において保険をどう考えるか?

今でこそ株式にかなりの自己資金を投入していますが、株式投資を始める前は、株は危ないもの、ギャンブルと同じだと思い込んでいました。

その結果、貯蓄性の高い保険商品にかなりの額を注ぎ込んでしまっていました。

今回は、保険と貯蓄、投資は別に考えるべきだと考えるに至った話をしたいと思います。

保険に対する考え方の変遷

「万が一に備え過ぎていた過去

就職したての頃は、かなり保守的な金融商品・保険商品ばかりを選んでいました。

例えば、運用は定期預金、貯蓄性の高い生命保険、無駄な医療保険、といった具合です。

毎月の支出も半端ではありませんでした。

保守的過ぎ、その背景は

元々心配症な性質。加えて、新卒で入社した日本法人が部門ごと閉鎖されたこともあり、将来に対して漠然とした不安を抱えていました。

幸い転職先が見つかるまで、会社側の手厚いサポートがあり、ファイナンシャルプランナーやら転職エージェントなど、様々な福利厚生を利用できました。

その時ファイナンシャルプランナーに勧められた投資商品などは全て一蹴し、とにかく元本割れしないもので、老後の一助になると(当時は)思われる商品を選び、今思えば年率1%にも満たない定期預金や高額の貯蓄型生命保険に入っていました。

貯蓄型保険の本質

貯蓄型保険はなぜ満期を迎えると元本に多少上乗せされて受け取ることが出来るかご存知ですか?

それはとてもシンプルなカラクリで、銀行と同じように、集めたお金で株などに投資して、運用しているからです。世界最大級の運用機関である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も資産運用して年金のためのお金を増やしています。

返戻金を年率にして考えてみる

運用益から少なくない手数料が人件費等として取られてしまいますが、解約返戻金を年率に換算する意味はここにあります。

長期でインデックス投資信託等に積み立て投資すれば、過去のデータから保守的に見て年率3%程度の成長が見込めます。

絶対はありませんが、保険会社はこの事実に基づいて、手数料を取っても加入者に上乗せ金を支払えるように、返戻金と手数料のバランスを考えて設定してるのです。運用益は保守的に見積もられていると考えられ、想定を大幅に上回る運用益があったとしても、加入者には還元されません。

保険はどのように加入すべきか?

保険は海外旅行保険のように、必要な期間、必要な金額のみを掛けるのが良いと思います。

掛け金の高い保険は、家系的に早期に死ぬ可能性、家族が路頭に迷う可能性、配偶者の属性など、一度立ち止まって考えて見極めるのです。

↑尊敬する米国株投資家たぱぞうさんのブログを参考にさせていただいています。

日本の皆保険制度は本当に充実している

日本の国民皆保険制度は極めて充実しています。また、難病にかかって高額の医療費が必要となっても、高額医療制度でかなりの部分をカバーできます。

大手企業に勤めていれば、入院を伴う疾患になったとしても疾病手当金が一定期間の給与の2/3を保証してくれますし、その他福利厚生も充実しています。

多くの方が過剰に手厚い補償の民間保険に加入していますが、国民皆保険制や会社独自の制度などをよくよく調べる必要があると思います。

医療は驚くべき速さで進歩している

さらに、診断技術、医薬品、医療機器など、医療技術も劇的に進歩しています。がんの5年生存率(がんと診断されてから5年生き延びる確率、5年再発がなければ治癒とみなす)は60%を超えましたし、そう遠くない未来、がんもある程度は克服できるようになるのかもしれません。そして、その技術は現在のがん保険の約款の記載範囲を超える革新的な技術である可能性があり、一昔前の保険は意味がなくなるかもしれません。

保険の営業は医療のプロではありません。IT技術の進歩が目覚ましく、法制度が追いついていないように、保険の約款の中身や営業の知識が医療技術の進歩に追い付いていない・いなくなる可能性はあると思います。

FPは独立系を選んだ方が良い

保険会社に所属するファイナンシャルプランナーは、良くも悪くも加入者を増やそうと、不安を煽ってきます。誕生日が近いと、加入時期が迫っていると焦らせます。

本気で家計に寄り添ってもらうには、お金を払ってでも独立系のファイナンシャルプランナーに相談するか、自身で保険の仕組みなどについて本やコラムなどから学んで、納得できる内容の保険にするのがよいと思います。

↑楽天証券のコラム。良いFPの見分け方。

保険に関しては懺悔だらけ

数々の失敗をして、現在も迷走中です

このように、私が保険は極力シンプルに考え、貯蓄や投資とは別扱いと考えるに至るまで、数々の失敗をしてきました。

現在も後悔の真っ只中におり、サンクコストに囚われています。

10年前に転職したときは、リーマンショックで株価が底辺。今から思えば投資チャンスに満ちた時期に、独身だったにも関わらず、年利1%に満たない5年払い済みの貯蓄型生命保険に入ってしまいました。昨年、元本割れしなくなった時点で解約し、現在賃貸に出しているマンションのローン返済に充てました。

さらに、転職先に持株会の制度があったにもかかわらず、それには目もくれず民間の年金保険月1万円を積み立てていました。それも昨年元本割れを覚悟して解約し、投資資金に回しました。

6年前のマンション購入と同時に万が一のがんに備えて高額の貯蓄型生命保険に入ってしまいました(10年前に加入した貯蓄型生命保険は払い済みになっていました)。60歳払い済みと長期にわたる保険で、現時点における解約返戻金がマイナス100万円を超えるために、サンクコストに囚われて現在も続けている状態です。

納得しているのは、学資保険がわりの主人の貯蓄型生命保険と医療保険

主人は独身時代、会社の団体保険のみしか入っていなかったので、かなり渋っていましたが、結婚後に60歳払い済みの医療保険に加入してもらいました。結婚前に株式投資を始めていたことが、保険のカラクリと必要性について慎重になるきっかけとなったのかもしれません。

子供が生まれてからは、ジュニアNISAと並行で学資保険がわりの貯蓄型生命保険に入ってもらいましたが、ジュニアNISAの積立額や私がフルタイムで働いていることも鑑み、返戻金は必要最低限にしています。

まとめ

ほぼほぼ自分の残念な保険遍歴の備忘録になってしまいました。これから保険に加入する方の反面教師となれば幸いです。

主人の意見に影響され、慎重に批判的な目線で冷静に見られる第三者の意見は非常に貴重だと思った次第です。